なぜ線香をあげるのか?

 
通勤・通学前、仏壇の前に座り線香に火をともし手を合わせる。お寺参りをした際、大きな香炉に線香を立てて体の調子の悪い部位に煙をあてる。日本ではおなじみの光景ですね。
 
線香(お香)は古くから仏教と深い結びつきがあり日常の習慣として溶け込んでいますが、そもそもお香はどういった目的で使われ始めたのでしょう?
 

お香の歴史

お香の歴史自体は紀元前3000年前のメソポタミア文明のころが起源とされていますが、仏教の発祥地インドでは熱帯気候であり遺体の腐敗も早く、それらの死体の臭いを消すために使用されていました。
 
インドは古くから天然の香木の産地ですが、香木とは文字通り香りのする木のことです。
代表的なものを一つ紹介すると「白檀(びゃくだん)」があります。英名で「サンダルウッド」といえばアロマの香りの1つとして聞いたことがあるかも。
 

線香をあげる理由

さて、そんなお香が仏教とともに日本に伝来し、お墓参りや仏壇に手を合わせるときに線香をあげる習慣となっていきましたが、そもそもなぜ線香をあげるのでしょう?
 
線香をあげる理由はいくつかありどれもなかなか興味深い内容です。
 

1.自分の身と心を清める。

線香をあげることで自分の身と心を清めるという意味があります。
線香の香りで臭いを消すことができるので、仏教では線香をあげることで心身を清めるとされたと言われてます。また、人間とは汚れるもの、であり自分の身と心を清めてから仏様と向かい合うためでもあります。
 

2.故人の食べ物

仏教経典のひとつ「倶舎論(くしゃろん)」には、
「死後の人間が食べるは匂いだけで、善行を行った死者は良い香りを食べる」
といった記述があり、故人が亡くなってから四十九日が経過するまでに食べるものが線香の香りとされていて、「食香」と呼ばれています。宗派や地域によっては四十九日が過ぎるまでは「寝ずの番をして線香の火を絶やさないようにする」習慣が残っているところもあります。
線香をあげる時、故人が好きだった食べ物をお供えするのと同じく、故人が好きだった香りに近い線香を選んであげればきっと喜んでくれるでしょう。
 

3.あの世への道しるべ

仏様があの世まで迷わないようにするため。故にお通夜では故人の枕元に1本だけ線香を立てます。一筋の線香の煙が故人をあの世まで導いてくれるのですね。
 

4.線香をあげることで故人に思いを伝える

線香の煙を通じて仏様とお話をするという意味があり、線香の煙があの世とこの世の橋渡しをしてくれます。
故人との生前の思い出に思いを馳せ、またご先祖様に生まれたことを感謝することも時には必要かと思います。
 
何かと忙しい日々を送っているみなさまも、お墓参りや実家のお仏壇に手を合わせてお線香をあげ、仏様と話をしてみましょう。きっとあなたがたにとって癒しの時間となってくれることでしょう。
 

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